諏訪~伊那

南信地方に位置する札所は24番の阿弥陀寺と22番仲仙寺の二カ寺であるが、ともに名刹である。

阿弥陀寺は甲州街道沿いに唯一位置する札所で岩窟の岩屋堂に十一面観世音菩薩をまつっている。また岩屋堂から諏訪湖を眺める景色も絶景だ。

伊那の仲仙寺は「羽広の観音さん」として親しまれている。そして「馬の観音様」としても古くから親しまれ、「千匹馬」の絵馬をはじめ幕末から明治期にかけて奉納された多くの絵馬が残されている。

甲州街道・伊那街道エリア地図

札所紹介

24番札所
法国山阿弥陀寺
阿弥陀寺の写真
ご本尊名
十一面観世音菩薩
ご本尊愛称
岩屋観音
宗派
浄土宗
所在地
〒392-0003 諏訪市上諏訪唐沢7633-1
ご朱印はこちら
〒392-0005 諏訪市岡村1-15-3(正願寺)
TEL
阿弥陀寺 0266-52-5269 / 正願寺 0266-52-0818
駐車場
あり。お堂まで徒歩10分。
開基
念仏行者河西浄西(文禄4年1595)
開山
弾誓上人(慶長3年1598)
ご詠歌
唐沢や 岩間に結ぶ 観世音 誓いの水は 汲めどつきせじ

文禄4年(1595)、下桑村の念仏行者・河西浄西が開基し、尾張の弾誓上人が諸国を修行行脚の折、仏道修行の道場となしたと伝えられる。開基当時は裏山の岩窟に十一面観音をまつるのみの道場であったが、諸国から多くの行者が集まるようになり、堂宇が充実。現在も浄土宗の修業道場として名高く、仏道を志す若い僧が修行に明け暮れる姿が見られる。近代の名僧、辨栄も修行した。本堂の左手にそそり立つ岸壁の中程にある懸崖造りの建物が岩屋堂で、この奥に十一面観音を安置し、子授けのご利益が信じられている。

22番札所
羽広山仲仙寺
仲仙寺の写真
ご本尊名
十一面観世音菩薩
ご本尊愛称
羽広観音
宗派
天台宗
所在地
〒399-4501 伊那市西箕輪3052
TEL
0265-73-5472(個人不要、団体要事前連絡)
駐車場
仁王門手前大駐車場(大型可)
開山・開基
慈覚大師円仁(弘仁7年816)
ご詠歌
はるばると 登り向かえば 仲仙寺 いつも絶えせぬ 松風の音

弘仁7年(816)慈覚大師が霊夢を得てこの地を訪れ、山中に求めた霊木に十一面観音像を刻んで奉安したのが開基とされる。この時、木片のひとつに経文を書いて埋めたことから、仲仙寺の背後にそびえるその山を経ヶ岳と呼ぶようになった。その後、数度の火災に逢うも、堂宇を寄進した歴代飯田城主をはじめ地域の人々の篤い信仰心に支えられ、その都度再建して今に至っている。観音堂は豪壮な建築で、仁王門、山門、焔魔堂、本坊が並ぶさまは壮観。自然豊かな境内である。

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