中条~小川
30番正法寺より33番高山寺にいたるまで幾重にも重なる山々を望みながらの巡礼になる。
札所結願の寺は小川村の高山寺。いま現在は鳥の声だけが響く静かな山里も江戸時代まで戸隠道とよばれ、大洞峠から鬼無里、戸隠、柏原を経由し越後へと通じた。かつては坂上田村麻呂や平惟重も通り、江戸期には信仰の道としてそして物資輸送も盛んな交通の要衝となった「戸隠街道」である。その名のごとく日本屈指の「高山」であるアルプス連峰を間近に見渡すことができる。
この屏風のごとき山々の絶景も結願の喜びとともに生涯忘れ得ぬ思い出になるだろう。